宮田塾のブログ

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女性ベストアーティスト(2015年度)

以前に書いたように、2015年は「AppleMusic」のおかげで、様々な作品を聴く機会が増え、例年以上にいい音楽との出会いがありました。

そんな中、2015年の英米のポピュラー音楽を振り返ると、女性アーティストの活躍が目立ったように思います。特に気に入った女性アーティストをご紹介するのが今回の記事の趣旨なんですが、キーワードは「説得力」。

塾や勉強とは何の関係もない話題だと思われるかもしれませんが、試験の答案には一定の「説得力」が必要。そんな意味で、勉強と大いに関係のある内容です(はい、ウソです)。

1.アデル (Adele)

この人の歌は、説得力の塊です。どんな歌を歌っても名唱にしてしまう力量。21世紀に入ってから最も売れた女性アーティストなんですが、むべなるかな。人びとの心の中の「うた」を導き出すタイプの歌手ですね。

下に挙げた「Hello」は2015年10月に発表された最新シングルですが、何時聴いても、心の中で一緒に唱ってしまいます。現時点(2015年12月)で8億回以上の再生回数。

ご本人もインタビューで話していましたが、英米圏で似たタイプのシンガーを挙げるなら、エタ・ジェイムズ。日本だとなかなか難しいんですが、ちあきなおみが近いと思いますね。歌が一つのドラマとなるという意味において。

Adele - Hello



2.テイラー・スウィフト (Taylor Swift)

今をときめくテイラー嬢。アルバム『1989』は売れに売れているようですが、報道によると日収が1.5億円との由。月収・年収じゃないですよ。日収。ちょっとだけ負けました(笑)。

金銭面はどうでもいいんですが、彼女の魅力はその美貌だけではなく、「声」にあると思います。完全に澄み切った声、というのではなく、少しざらつき・濁りがある。そこがとてもいいんですよね。

歌詞に面白味があるというわけではないのに、その声に説得力を感じて何度も聴いたのが「Bad Blood」。ケンドリック・ラマーは私も好きなラッパーですが(最新作は購入しました)、この曲に関して言えば、ラマー君のパートは蛇足だと思います。そう思わせるほど、テイラー・スウィフトの歌唱がいい。2015年5月発表、現時点(2015年12月)で7億回近い再生回数。

Taylor Swift - Bad Blood ft. Kendrick Lamar



3.リアーナ (Rihanna)

今年の4月は、リアーナの「American Oxygen」が超ヘビーローテーションでした。私の心の中で、ですけれど。ビデオを見ていただくと分かりますが、社会的なメッセージ色がとても強い作品です。

Breathe out, breathe in
American oxygen
Every breath I breathe
Chasin' this American Dream

We sweat for a nickel and a dime
Turn it into an empire
Breathe in, this feeling
American, American oxygen


アメリカン・ドリームを追う。
アメリカの空気を吸って。
それは華やかなように見えるけれど、
一息一息吸って吐く呼吸のように、
着実に積み上げてゆくもの。
この国は、私達が営々と汗を流して創り上げた国。

和訳ではありませんが、彼女の伝えたい趣旨はそういうことだろうと思います。

リアーナはアメリカ出身ではありません。調べてみると、バルバドスの出身。16歳で渡米し、夢の階段をのぼった女性シンガーです。発表当時、YouTubeのコメント欄を見ると、結構な数のアンチがいて、「お前なんかアメリカ人じゃねぇ!」「お前なんかがアメリカの誇りを歌うな!」なんて書込もチラホラ。どこの国にも「国籍」だけが誇りの人はいるんだなと思うんですが、この曲を堂々と歌い切る彼女の声は野太く説得力があって、そんな批判を鼻であしらう感じなんですよね。

動画の最後の方、黒人と白人が普通に協力しあうシーンが挟まれているのは彼女の意志でしょうか。米国内では排外的・人種差別的な雰囲気がさらに強まってきているように見えますが(トランプ……)、彼女の発想が普通なんだと思いたいところです。

‪Rihanna - American Oxygen‬



4.カーリー・レイ・ジェプセン (Carly Rae Jepsen‬)

「I Really Like You」は、私が普段あまり聴かないタイプの曲なんですが、AppleMusicで見つけて以来、なぜかヘビーローテーションに。やっぱり彼女の声に強い説得力を感じるからなんでしょうね。80年代テイストのある「E•MO•TION」が特にいい曲なんですが、ここはヒットした「I Really Like You」を。なぜかトム・ハンクスが出演しています。

‪Carly Rae Jepsen - I Really Like You‬



5.コートニー・バーネット (Courtney Barnett)

ここからは少しマイナーなアーティストを。

多分、Amazonの「あなたへのお薦めアーティスト」で見つけたのが最初だったと思うんですが、「Pedestrian At Best」を聴いた時、第一声で一気にファンになりました。若かりしパティ・スミスを思わせるこの声!私にとっては説得力の塊です。もしあなたがパティ・スミスのファンなら、是非聴いて下さい。絶対に期待は裏切りません。

コートニーは飾らない感じのオーストラリア人女性。ネットで情報を集めていると、カート・コベインと比べている記事が多いんですが、何か違和感があります。左利きのギタリストという以外に共通点ないやん。強いて言えば、オルタナティブな感じのパワー・ポップぽいところも似ているのかもしれないけれど。

当然ながら彼女と面識はありませんが、とにかく話が合いそう気がします。高校生の頃、同じクラスにこんな女子がいたら、いっつも音楽話をしてCDの貸し借りをする、いい友人になれた気がします。ちょっと妄想が入ってますが(笑)。

give me all your money and I'll make some origami honey
(有り金全部渡しな、そしたら折り紙折ってやっからさ。)

って、意味分かんないけど、何度も歌ってしまうフレーズです。

Pedestrian At Best - Courtney Barnett



6.ハイエイタス・カイヨーテ (Hiatus Kaiyote)

ハイエイタス・カイヨーテもオーストラリアのバンド。超・超・私好みのバンドです。Amazonでは何度も何度も「あなたへのお薦め」として表示されていたんですが、CDのジャケットを見て、どうせ大したことの無いテクノかヘビメタなんだろうと高をくくり、無視していました。だって、ジャケットあんまり格好良くないし……。

あんまり何度も推薦されるので、YouTubeで見てみました。何これ!最高やん!もうちょっと分かりやすいジャケットにしとかなあかんやんか!と逆ギレしたぐらいです(笑)。

まず思い出したのは、フランク・ザッパ&マザーズの「Roxy & Elsewhere」。このアルバムを彷彿とさせるという評価は、私にとって最高の賛辞です。「Roxy & Elsewhere」が好きな音楽マニアは、是非聴いて下さい。これまた絶対に期待は裏切りません。

まず、女性ヴォーカルのネイ・パーム嬢の歌が説得力に満ちあふれています。故エイミー・ワインハウス(いいシンガーだったなぁ)に近いムードの声ですね。

そして複雑な曲構成。でも複雑さのための複雑さではなく、説得力のある曲構成なんです。すごく力量のある作曲者だな、と思って調べてみると、作曲もヴォーカルのネイ・パームが担当しているとの由。えええ!天才やん、この人。演奏も上手いし。音楽の神に愛されている人です。

ジャンル分けが難しいタイプのバンドですが、フューチャー・ソウルなんて言われているようですね。悪くないネーミングだとは思うけど……。ソウルの枠内には収まらない才能でしょう。

最新作『Choose Your Weapon』は、今月一番聴いているアルバム。是非ライブを一度見てみたいと思っています。

Hiatus Kaiyote - Breathing Underwater



選外.シャミール (Shamir)

初めて見たとき、変わった女の子だなと思っていたんですが、ライブの映像を見て分かりました。オネエ系男子やったんや!グーグルで「シャミール」と入力すると「性別」という言葉がサジェストされるぐらいなので、みんな判別に悩んでるんだなと(笑)。

彼(彼女?)の曲と、80年代テイストの安っぽいビデオがベストマッチで、何度も見てしまったのが下記の「On The Regular」。最初に見たのは深夜だったんですが、カウベルが超どアップになるシーンが妙にツボにはまって、しばらく笑いが止まりませんでした。

ふにゃふにゃした歌唱なのに、妙に説得力と中毒性があります。不思議。

Shamir - On The Regular




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定額の音楽配信サービスに思うこと

塾の方は年末年始休業に入らせてもらっています。大阪を遠く離れ、温泉につかってのんびり過ごしています……、なんて言いたいところですが、そんな時間的余裕はありません。山積みになった用事を今こそこなさねば。授業こそないものの、忙しさは平時とあまり変わらない。はぁ。

あんまり羽を伸ばしすぎても、受験生に顔向けできない気がする、というのも大きいんですけどね。

そんな中で、やっぱり音楽や読書は手軽に楽しめるリフレッシュ方法。まあ、完全に日常の一部になっているので、あんまりリフレッシュの手段という気はしないんですけれど……。



2015年、アップル社が「AppleMusic」という定額の音楽配信サービスを始めたんですが、これがかなり私の音楽ライフを変えてくれました。いや、変えてしまいやがりました(笑)。

いや、有り難いんですよ、邦楽洋楽を問わず、ポピュラー音楽のかなりの部分をカバーしていて、クラシック音楽も結構聴けて、ジャズの重要作品もほとんど聴ける。これを無制限に利用できて、たったの980円/月ですから。

月に結構な額のCDを購入していた私の感覚からすると、激安といっていいレベルです。しかもAmazonに配送を頼んだりしなくても、思い立ったらすぐに聴けます。right now, right here! 契約を更新し続ける限り、MacでもiPhoneでも無限に聴けます。

ここ数年、CDを買うことに躊躇を覚えるようになってきていたんですよね。購入しても利用するのは一回だけ。Macにリッピング(取り込み)すれば、あとはCDラックに収めるだけなんですから。ジャケットを見たいときも、検索すればOK。アーティストの情報を知りたいときも、検索すればOK。隣の部屋のCDラックに向かう必要すら無い。

そこにこの「AppleMusic」なる定額音楽配信サービスです。アーティスト名やアルバム名で検索を掛ければ、一瞬で聴きたい作品が見つかり、フルアルバムが享受できる。楽しみにしていた作品も、発売当日にそうして聴けてしまうとなると、なかなかCD購入までには至りません。

だって、CDを購入しても入手できる「音楽」という情報・体験は何も変わらないわけですし、むしろ、邪魔な物体が増えるだけとも言えるわけですから。

結構音楽が好きで、それなりに音楽関連の消費をしていた人間ですらこれなんですから、そうでない人びとは推して知るべし。定額音楽配信サービスで十分過ぎるほど十分です。

最近、「CDが売れない」という話をよく聞きますが、売れる方がおかしいですよ。もう世の中、音楽という「情報」は「媒体購入」によって入手するものではなく、「配信」によって入手するものになっていると思います。しかも定額支払い&無制限配信。

AppleMusicを契約した初日、夜の2時ぐらいから色々な作品を見て回ったんですが、「うわ!こんなアルバムがある!」「わわっ!これ聴いてみたかったんだよな!」と一人で大盛り上がり。異常な集中力を発揮して、膨大な数のアルバムを自分のプレイリストに登録しました。嬉しすぎる、嬉しすぎる!気がついたら朝の9時でした(笑)。

あまり興味のなかったアーティストの作品を気軽に聴いてみて、一気にファンになるなんていうのも、この種のサービスならでは。テイラー・スウィフトの「1989」(今年一番売れたアルバムです)をよく聴いていたんですが、妻からは「一体何があったん?」と不思議がられる始末。「いっつも『変な』曲ばっかり聴いているのに」って、やかましいわ(笑)。

ただ、嬉しい反面、少し寂しい気がするのも事実です。

音楽に対する尊敬の念が薄れそうな気がするんですよね。ちょうど、生きてゆくのに必要不可欠なものである「空気」に、有り難みを感じないのと同じように。

平野啓一郎がどこかに書いていましたが、バッハであれモーツァルトであれ、その生涯で聞いたことがある音楽は、私達よりはるかに少なかったはずなんですよね。そのことを考えると、自分はなんて愚かで貪欲な消費者なのだろうかと思わざるを得ません。

でも、もう後戻りはできないでしょうね……。



この記事を書きながらも、AppleMusicで音楽を聴いています。さっき見つけた、Martin Stadtfeld の バッハ「イタリアン・コンチェルト」。私好みの演奏で、少し前なら絶対にCDを購入していたはず。

世の中は移りにけりな……。






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京都北野天満宮への参詣・たわらや・応天の門

そろそろ今年も終わりですね。今年は忙しい年だった……と毎年毎年思うんですが、来年は更に忙しくなりそうな予感。身体を壊さないように頑張ろうと思います。

とりあえず来月半ばまでは、迫ってきた入試の対策に全力を尽くします。受験生も大変な時期ですが頑張って下さいね。私の方も、年末年始はあんまり休めないことがほぼ確定しつつあるような気が……(笑)。

そんなこんなで、来期の受講をお待ちの方への連絡が遅れているんですが、もう少しで来期のスケジュールを決定できるかと思います。遅くとも来年1月中にはご連絡を差し上げたいと存じますので、今しばらくお待ち下さいませ。この件に関しては、またウェブサイトもしくはブログにて詳しくお知らせしたいと存じます。



そんな中、仕事というかレジャーというか、何と言ってよいのか分からない用事をこなしてきました。京都は北野天満宮への参詣です。

北野天満宮は菅原道真公をお祀りする由緒正しき神社、学問成就をお願いする神社なので、塾生の合格祈願をするにはピッタリなのです。そういう意味では「仕事」。まぁ、バイクで京都に出かけるという面では「レジャー」と言えなくもないけどね、9割方は仕事なんだよね、なんて風に副代表に話すと、「1000パーセント遊びです」と断言されました。あれれ。

ともあれ、午前しか時間が無いので、名神高速をバビュンと飛ばして京都南ICへ。この区間はとても楽しいんですが、ICから北野白梅町までの京都市街の道路は超面倒。何か京都の車の流れってちょっと遅い気がするんですよね。牛車文化が残っているとか?いや、多分、私が短気な大阪人であるだけなんでしょうが……。

北野天満宮は今日も快晴。お参り超楽し〜い!いやいや、仕事仕事(笑)。いつもの如く、ちゃんと平安文法&古語で菅公にお願いして参りましたので、当塾の受験生はご安心召されたし。

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写真にも「大福梅授与」ありますが、境内で取れた梅の実(大福梅)などを需めてきました。上々吉上々吉。かかれば塾生の成績向上・合格間違いなし。

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帰りは気になっていたうどん店へ。神社正門からほど近い「たわらや」です。ここの名物は、一本だけのうどん。何ですかそれ、と思われそうですが、写真をご覧あれ。ご理解いただけたでしょう?修学旅行生に混じってもぐもぐ。とても美味しいうどんでしたが、700円強という価格を考えると、もう一本ぐらい入っていて欲しいかな(せこいけど)。

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菅原道真公といえば、頭の良い人というイメージがありますが、そのイメージを膨らませた、とても素晴らしいコミックがあります。灰原薬の『応天の門』です。

少し前に購入してすっかりファンになりましたよ、道真公の。三白眼の勉強好きな少年は、現代なら何となく進学校にいそうな感じ。えらく理屈っぽいところがいいんですが、この話はまたいずれ。

梅の花まであと少し。受験生にも美しい花が咲きますように。

<関連記事>

北野天満宮・狛犬・ポルトガルのお菓子(カステラ・ド・パウロ)
大阪天満宮参詣&ハムカツ
大阪天満宮





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『青い山脈』服部良一・西條八十・ブレイブコンボ

先日、往年の美人女優、原節子さんが亡くなりました。さすがにリアルタイムで見た女優さんではないので、特に感慨は無いんですが、彼女の代表作の一つに『青い山脈』があります。今日はこの主題歌について。

典型的なヨナ抜きのメロディ。美しい七五調の詞。作曲は服部良一、作詞は西條八十。当時の日本が誇る最高のコンビだと思います。

Wikipediaを見てみると、服部良一は大阪市天王寺区玉造で出生したとのこと。当塾のある玉造の大先輩です。「芸事好きの家族の影響で郷土の民謡である江州音頭や河内音頭を子守唄代わりに育つ」と記されているんですが、とても親近感を覚えます。個人的な意見ですが、江州音頭や河内音頭を聞かずして、日本の音楽が語れるはずはないんですよね。日本におけるアーバン・ダンス・ミュージックの嚆矢ですから。

『青い山脈』について調べてみると、「梅田から省線に乗って、京都に向かう途中のこと、日本晴れのはるか彼方にくっきりと描く六甲山脈の連峰をながめているうちににわかに曲想がわいてきた」と服部良一が述べているようです。そうだとしたら、しょっちゅう訪れているところじゃないですか。さらに親近感。

服部良一はさておき、塾ブログとして注目したいのは西條八十の歌詞です。歌詞が耳にさらりと入ってくるのは七五調だからこそ。日本人の心の琴線に触れるのはやはり七五調です。(どうして七五調が日本人の心を揺さぶるのかについては、自分なりの考えを持っているんですが、長文になりそうなのでまた別の機に。)

あえて三番・四番の歌詞をご紹介します。

青い山脈
作詞:西條八十

雨にぬれてる 焼けあとの
名も無い花も ふり仰ぐ
青い山脈 かがやく嶺の
なつかしさ 見れば涙が またにじむ

父も夢見た 母も見た
旅路のはての その涯の
青い山脈 みどりの谷へ
旅をゆく 若いわれらに 鐘が鳴る


声に出してみるとよく分かるんですが、音節数は下記の通り。すべての句が七音節または五音節になっています。

7 5
7 5
7 7
5 7 5

それでいて、若々しいムードが横溢しています。「青いかがやき」を「ふり仰いで」「涙をにじませる」のはまさに青春のイメージですし、「青い山脈・緑の谷」を「旅する若人」が「鐘の音」で祝福されるというのも、とてもフレッシュな色彩感覚・音感を感じます。

さらに私の分析を述べさせてもらいます(笑)。『青い山脈』というタイトル自体がもう名作の予感に充ち満ちています。「青い」という和語、「山脈」という漢語の取り合わせ。とてもバランスがいい。

『青いやま』、つまり、和語+和語だとインパクトに欠けます。また、『紺碧山脈』、つまり、漢語+漢語だと硬すぎますよね。やっぱり『青い山脈』しかない。

そもそも「青い」という言葉の選択自体が、音韻的にセンスがいい。「あ・お・い」という語は、いずれも母音。専門的に言えば、子音のように息が調音点(舌や歯や唇など)によって妨害されない音です。平たく言えば、声帯の振動が妨害されない形で声となっている。

「あおい」という語は、発音のまっすぐさ・汚れの無さが、「青」という色彩感覚にピッタリ合っている言葉です。

余談ですが、日本の国語教育において完全に欠落していると思うのは「理論に基づく日本語の音韻的側面」です。無視されているというよりも、誰も気づきもしていない、というのが正確なところでしょう。個人的には、音韻的側面を無視して日本語を十全に理解することなんてあり得ないと思っているんですが、この話も長くなりそうなので、別の機会に。

この純日本的なメロディと歌詞を、見事に、本当に見事に解釈してくれたアメリカのバンドがあります。その名はブレイブ・コンボ (Brave Combo)。カール・フィンチ率いる、ポルカをベースとしたバンドです。ポルカについて話すとまた脱線してゆくので、ここは我慢して(笑)、曲の解説を。

この曲は1990年に発表された『ブレイブ・コンボのええじゃないか』というアルバム(現在は廃盤)に収録されています。このミニアルバム、日本の曲をカバーしているちょっと変わった作品でして、坂本九やエノケンの曲も取り上げています。どれも逸品なんですが、アルバムの白眉はやっぱり一曲目を飾る『青い山脈』。

とてもセンスがいいと思うのは、イントロなしでいきなり「ア・オ・イ・サン・ミャ・ク」というコーラスから始まるところ。この辺り、ビートルズっぽい作曲法ですが、非日本語話者の感覚で、純粋に「ア・オ・イ」という母音が連続する音韻に反応してくれたんだと思うと、それだけで嬉しくなってしまいます。

軽快なポルカ・ロックに乗せて、一番は英語、二番はスペイン語で歌われます。歯切れのいいドラムがいいなぁ。ああ、やっぱり英語もスペイン語も音が美しいなぁ。

そして、ブレイクを挟んで三番と四番が日本語で歌われます。

雨にぬれてる 焼けあとの
名も無い花も ふり仰ぐ
青い山脈 かがやく嶺の
なつかしさ 見れば涙が またにじむ


なんてきれいな音の並びなんだろう!外国語の音も美しい。でもやっぱり、私にとっては日本語の音が何よりも美しく感じられる。しかも音だけでなく意味までもが麗しい。日本語が愛しすぎて、涙がこぼれそうになる瞬間です。

アメリカ人に日本語の音の美しさを教えてもらうのは、なんだか不思議な気もしますが、非日本語話者だからこそ起こし得た奇跡なのかもしれません。

少し大げさに書きすぎたかもしれませんが、ブレイブ・コンボのこのバージョンは本当に名曲。できれば大音量で聞いてみて下さい。

服部良一・西條八十のコンビには『蘇州夜曲』という名曲もあります。これもまた最高の一曲。また機会があれば。



ブレイブ・コンボのヴァージョンは、ニコニコ動画にしか見つかりませんでした。コメントがうっとうしいんですが、右下の吹き出しボタンを押すとコメントが消えます。






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スペインを走ってみたい MotoGeo in Spain

年末も近づいてきましたね。入試を控えた受験生対象の授業で忙しいのは当然ですが、その他の授業や来期の準備にも大わらわです。

毎年この時期、入試直前期対策・指導のお問い合わせを多数頂くんですが、受け持っている生徒さんだけで精一杯なので、中学受験・大学受験・小論文いずれも、直前期だけの指導はお断りしています。申し訳ございません。



こういう風に忙しくなる時期は、なかなか自由気ままな時間を持てないわけですが、人生はそういう自由時間のためにこそあると固く信じているので、結構辛い。一週間ぐらいでいいので、のんびり失踪したいなあ(笑)。

ま、仕事・家庭の都合上、そういうわけにも行きませんので、YouTubeなんかで気ままなバイク旅行をしているのを見るに止めています。忙しい時期ほど、そういう映像を眺めている時間が長くなってしまうんですけどね(仕事しろ)。

下記は先の日曜日に見つけた、MotoGeoの新作ムービーなんですが、いつも通り心から羨ましく思う旅行になっています。ジェイミー君がスペインの風光明媚な地をバイクで廻る廻る。見ているとため息が出ます。

私なんかは、美しい最高級のワインディング・ロードがあればそれだけで満足なんですが、歴史に満ちた名所においしい食べ物まで!ほわわわ〜(笑)。

かてて加えて、バイクはドゥカティのモンスター821。この旅程にはピッタリのバイクです。バイク好きな人は「はいはい、あのバイクね」と思っていただけるでしょうが、ご存知でない方のために説明しておきます。

ドゥカティはイタリアの二輪メーカー。自動車で言えばフェラーリみたいな感じの立ち位置でしょうか(現在のドゥカティはアウディ傘下にある企業ですが)。赤がテーマカラーのスポーティな車輌が多く、どれに乗っても面白いんですよね。

モンスターは先代の796には数回、上位機種の1200には一度乗ってみたことがありますが、やっぱりLツインはいいなぁ〜とヘルメットの中で笑いが止まらないマシンです。法定速度で走るのが色々な意味で難しいバイクでもありますが……。

ジェイミー君、今回もいつもの通り、卓越したライディングで心から嬉しそうにモンスターを操っています。私、お金持ちや権力者を見て羨ましいと感じたことはないんですが、こんなふうに自らの力で自由を創り出し、その自由を楽しく満喫して生活している人を見ると、やっぱり羨ましく感じてしまいます。

逆説的ですが、自由を満喫できるように、もっと努力しなければ。




前にもこんな記事を書いています。
I love MotoGeo! モト・ジオの話:国語塾・宮田塾のブログ





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「源氏物語」は源頼朝・源義経の物語ではありません

マジ?と思った話。

「源氏なのに義経が出てこない」の苦情受け…源氏物語ミュージアムで企画展 - 産経WEST

以前当ブログでも取り上げたことのある「源氏物語ミュージアム」の話です。同博物館を訪れる人から「『源氏』なのに頼朝も義経も出てこない」との意見が出ることもあるそうで、今回、源平合戦に関する展示を行うに至ったとの由。

いや、そんな意見無視していいと思うんだけど。源氏物語は高貴な生まれのイケメン、光源氏の話です。雅やかな王朝恋愛譚。一方、源平合戦は平家物語に代表される雄々しき軍記物語。源頼朝や源義経はこっちの人物。背景が全然違います。

おしゃれなフランス恋愛映画と、厭戦感漂うベトナム戦争ドキュメンタリー映画の豪華二本立て!なんて上映しても、お客さんが入らないですよね。客層が全然違う。

フランスの象徴派詩人アルチュール・ランボーの博物館で、シルベスター・スタローンの映画『ランボー』が上映されていたら笑いますよね。戦場帰りのマッチョな詩人がどこかに籠城して詩を書きまくるとか(笑)。今回の話、それぐらい違和感があります。どっちが優れているという話をしているわけではありません。古典に疎い人を勘違いさせてしまうんじゃないか。どうせだったら、往年のアイドル「光GENJI」のローラースケートを展示してみるのもいいかも。しゃかりきコロンブス。

さすがにそれは冗談としても、ひょっとしたら、マニアックなファンをおびき寄せるために、あえてミスリーディングなことをしているとか?それなら完全に相手の術策にはまってます、私(笑)。「源平盛衰記図会」なんかは一度見てみたいし。

受験生はちゃんと覚えておいて下さいね。「源氏物語」は源頼朝や源義経の物語ではありません。彼らが登場するのは「平家物語」です。




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大山鳴動鼠一匹

私は見たことがないんですが、『コレリ大尉のマンドリン』という映画がありますよね。ニコラス・ケイジ主演の映画です。

この映画のタイトルを、『コレラ大佐のバイオリン』と間違えている人をネット上で見かけたことがありますが、微妙に違うというか、かなり違うというか、全然違うというか。一つの要素も合ってません。

先日息子が聞いてきました。

「ねぇねぇ、『名山扇動して鶏一匹』っていうことわざがあるやんか。」

「???」

「前ぶれだけが大きくて結果が小さいこと、やったと思うねんけど……。」

「それを言うなら『大山(泰山)鳴動して鼠一匹』や!名山じゃなくて大山(泰山)。扇動じゃなくて鳴動。鶏じゃなくて鼠やで。しかも鶏やったら「一羽」になるはずやろ。鼠だから「一匹」になるよ。大きい山がゴゴゴゴッと音を立てていたのに結局は鼠が一匹チョロリと現れるイメージ。」

「そうそう、それそれ!」

……って、大丈夫なんかいな。「コレラ大佐」を笑えません(笑)。




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