宮田塾のブログ

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中学入試対策模試の国語問題に思うこと

各大手塾さんが中学入試対策模試を毎月のように実施していますが、生徒さんや保護者様から依頼を受けて、それらの問題や各自の答案を分析・指導することがよくあります。そんな事情で、関西大手塾さんの模試問題や解答のほとんどに目を通しているんですが、その上で思うことを少々。

ちょっと書きにくいんですが、別に利害関係はないので、はっきり書きます。各塾の模試国語問題は本当に粗い問題が多い。実際に出題された入試問題(特によく練られた難関中の入試問題)とは、かなりの差が、いや、雲泥の差があります。

教える側からすると、「場当たり的な」問題、つまり、実際の入試に向けての思考力や解答力の養成につながらない問題が多く、教えるべき内容に乏しいところがあるわけです。

いや、別に大手塾さんや問題作成者をけなそうというわけではありません。どの講師の方々も、指導や雑務でメチャクチャにお忙しいはず(私もよく分かります)。良問を作成しようとすれば、莫大な時間と労力が掛かりますが、忙しい講師の方々が、そこまでの時間的コストを掛けることは構造的に不可能でしょう。いきおい、模試の問題は粗いものにならざるを得ない。

特に国語の場合、良問を作成しようとすれば、知識面の問題は別論、論壇や文壇に目を配って出題文章を選択し、選んだ文章の論理構造や感情表現の機微を考えた上で、問題を作成せねばなりませんし、(ここはちょっとグレーな運用かもしれませんが、厳密には)著作権にも気を配らねばなりません。

ただでさえ多忙な講師が、そんな問題を毎週・毎月作成するなんて、まず不可能でしょう。つまり、問題の質が芳しくないのは、必ずしも講師や指導の質が低いというわけではなく、「構造的な問題」であると捉えています。

ただ、まじめな受験生はその模試を一生懸命に受け、真剣に復習しようとするわけです。そして、おかしな問題や解答にずっと頭をひねり続ける。受験生が真剣であればあるほど、悩みは深くなります。だって、間違っている模範解答を、いくら真剣に考えてみても納得できるはずはないんですから。

国語であれ、他教科であれ、一番大切なのは、自分の頭で真剣に考えて解答を導くという姿勢だと思いますが、上記のような問題が、その姿勢を崩してしまわないかが心配になってしまいます。「国語なんてやっぱりフィーリングや!勘や!真剣に勉強したって無駄や!」という風に。

大手塾に所属する問題作成者以外の講師さんからすると、この問題は無視していいよとか、この解答はよくないからこう書き直しましょう、とは言いにくい・言えないはずで、(言葉は悪いですが)無価値または有害な模試問題から生徒さんを「守る」のも、私の一つの仕事だと考えています。



具体例を挙げてみましょう。もちろん実際の問題を持ってくるわけにはいかないので、当方で作った具体例です。

お腹がペコペコのあなたはある部屋にいます。目の前に「A」「B」という二つの食べ物が置いてあるとして下さい。「A」は毒入りの食べ物。「B」は普通の食べ物です。もちろん、「A」を食べる訳にはいきません。「B」を食べるしかありませんね。

ここで問題。

「A」は食べられません。理由を書きなさい。


解答は(言うまでもありませんが)、

「A」には毒が入っているから。


となるはずですよね。

しかし、模試の解答を見ると、

「B」を食べるしかないから。


というような解答が書いてあります。

上記の事例は、

「A」には毒が入っている
↓ だから
「A」は食べられない
↓ その結果
「B」を食べるしかない

という構造です。言い換えれば、「Bを食べるしかない」というのは、「Aを食べられない」ことの帰結・結果であり、「理由」にはならない。

他の例も出してみましょう。

上空を低気圧が覆っている
↓ だから
もうすぐ雨が降る
↓ その結果
傘を持って出かける

「傘を持って出かけた」から「もうすぐ雨が降る」なんて言ったら笑われますよね。それは理由と帰結を取り違えているからです。

もちろん、上記は単純な設例を使ったたとえです。実際の模試ではもっと難しい文章になっていますから、こんなに簡単ではありません。ただ、理屈・論理の上では同じような解答が時々見られます。そうした解答は、実際の入試では「論理的な誤り」、つまり、「文章が正確に読めていない故の誤り」として、部分点すらもらえないでしょう。

受験生には、そうした問題をうまく回避してもらえればと思っています。




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