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芋づる式読書


勉強や人付き合いもそうですが、読書って「芋づる式」になることが多いように思います。

昨年末からの芋づる式読書はこんな感じ。

パール・バック『母よ嘆くなかれ』
パール・バック女史が、知的障害を持つ一人娘について書いた本。これはブログ記事にしました。
パール・バック『母よ嘆くなかれ』:国語塾・宮田塾のブログ

パール・バック『大地』第1巻〜第4巻

大地 (1) (岩波文庫)大地 (1) (岩波文庫)
(1997/02/17)
パール・バック


そういえば永らく『大地』を読んでいないぞと思い出して購入。面白くて一気読みです。久々に長篇を読みましたが、とりわけ第1巻が心を打ちます。自分の名前の由来になっている本なので、今までに第1巻は何度も読んでいるんですが、王龍・阿藍夫妻の生活や考え方は、何となく自分の基盤になっているような気がします。

チャールズ・ディケンズ『オリバー・ツイスト』 上巻・下巻

オリバー・ツイスト〈上〉 (新潮文庫)オリバー・ツイスト〈上〉 (新潮文庫)
(2005/12/14)
チャールズ ディケンズ


上記『大地』(岩波文庫版)の解説は非常に役立ちました。パール・バックの生い立ちを詳細に説明してくれていたんです。その中で挙げられていたのが、チャールズ・ディケンズの名。もちろん著名な文豪ですが、彼女が若かりし頃よく読んでおり、影響された作家でもあるとの由。そう言えば大昔に『クリスマス・キャロル』を読んだだけだったな、また何か読んでみようと思って購入したのが『オリバー・ツイスト』 。恥ずかしながら、この有名作品、いままで読んだことがありませんでした。

私が大好きな歌にこんな歌詞があります。

Music is a princess.
I'm just a nobody who'd gladly give his life for her majesty.
(中略)
She's a princess, I'm Oliver Twist.
(Prefab Sprout / Music is a princess)


音楽を王女様のように崇拝する歌詞ですが、そこで比喩として使われている哀れな少年の名が、このオリバー・ツイスト。そんな訳で、興味津々で読みましたが、期待に違わずとても楽しい作品でした。人物描写がややステロタイプ過ぎるきらいがありますが、そんなことは大した問題ではありません。むしろ、哀れな孤児のオリバー君に感情移入しやすくて良い気すらします。読んでいる間は、親を失い社会の底辺に置かれた、しかし、良心を失わないけなげな少年になりきっていました。44歳のおっさんですけれど(笑)。ハッピーエンドなのもとてもいいんですよね。

そうそう、訳文はあまりにも読みにくい部分があります。投げ出さないようにするには、そうした部分を読み飛ばす勇気も必要かもしれません。

蒲松齢『聊齋志異』(りょうさいしい)上巻・下巻

聊斎志異〈上〉 (岩波文庫)聊斎志異〈上〉 (岩波文庫)
(1997/01/16)
蒲 松齢


これもパール・バック『大地』に導かれた作品。『大地』は中国を舞台とした作品ですが、その関連で巻末に中国関連の岩波文庫作品が紹介(宣伝)されています。その中の一つが『聊齋志異』。中国で起こった数々の怪異を面白く仕立てた短編集です。漢文を教えていると分かりますが、漢文には怪異現象を取り扱うものが多く、結構入試なんかでも素材になっているんですね。別に勉強しようというわけではないんですが、面白そうだと思って購入。

妻が上巻を読み出してしまったので、私は下巻から読み出したんですが(短編集なのでどこから読んでも構わないのです)、とても面白い。幽魂が出てきて勉強しだしたり、目の覚めるような美女と結婚したら仙女だったり。いわゆる人外たちが人間と織りなす物語なんですが、そこは中国、「なんでそんなことになるかな!」という結末が時々あったりして、それもまた楽しい作品です。

ジャンニ・ロダーリ『猫とともに去りぬ』

猫とともに去りぬ (光文社古典新訳文庫)猫とともに去りぬ (光文社古典新訳文庫)
(2006/09/07)
ジャンニ ロダーリ


海外の古典的な作品が続いたので、何か他のものも読んでみようかなという気になり、思い出したのが「光文社古典新訳文庫」。色々な海外古典作品を新訳で出すということでかなり話題になったシリーズです(特にドストエフスキー)。何か面白そうなのはないかなと、例の如くアマゾンでふらふらしていて見つけたのがケストナーの『飛ぶ教室』。そう言えば読んだことがなかったよ、私の好きな「成長物語」のはずだけど、と思いながら購入。で、巻末をパラパラめくっていて見つけたのが上記『猫とともに去りぬ』。

不勉強でロダーリの名は全く知らなかったんですが、タイトルが面白そうなのでとりあえず購入。これが大当たりでした。こんなに軽妙洒脱で楽しい作品があったなんて!現実離れした作品世界は、上述の『聊齋志異』にも通じるところがあるんですが、どこかドライでイタリア人らしいユーモアに溢れています。

またブログ記事を書きたい作品なんですが、短篇のタイトルだけ挙げておきましょう。面白そうでしょう?

「ヴェネツィアを救え あるいは 魚になるのがいちばんだ」
「カルちゃん、カルロ、カルちゃん あるいは 赤ん坊の悪い癖を矯正するには……」

私が大笑いしてしまったのは「恋するバイカー」。栓抜き部品工場社長の御曹司、エリーゾ君は筋金入りのバイク乗り。父親から◯◯社の令嬢と結婚しろと勧められるんですが、エリーゾ君の結婚したい相手は750ccの日本製バイク。断り方がふるっています。
「嫌だよ。バックミラーがないもの。」
「だけど、セルスターターがないだろ?」
そりゃ、女の子にはミラーやスターターは付いてませんって(笑)。親も躍起になって「それくらい付いてるはずだぞ」と抗弁するんですが、付いてないってば……。

で、駆け落ちすることになる。彼の彼女(?)であるミーチャというバイク、当初は時速200kmでコーナーを駆け抜けてくれたりして(すごい)、仲良く過ごすんですが、だんだんとワガママを言い始めて……。

文章を読むに、ロダーリもバイク乗りだったのではないかと思われて、余計に親近感が湧きます。私も綺麗な女性が嫌いなわけではないんですが、本当に美しいバイクって女性以上に美しいかもしれないなと思うこの頃。

話がややそれてしまいましたが、どの短篇もセンスが良くて暖かくてユーモラスで、本当に素晴らしい。どうして今まで知らなかったんだろうと後悔するほどの作品でした。




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